「雨漏りはしていないのに、壁が湿っている」
「カビやにおいが取れない」
そんな現象の裏には、毛細管現象(もうさいかんげんしょう)という“見えない水の動き”が関係しています。
表面からは気づかないわずかな隙間から、水分がじわじわと建物内部に吸い上げられる現象。
この現象は、家の耐久性だけでなく、住む人の心理的安心にも大きな影響を与えます。
毛細管現象とは?
毛細管現象とは、細い隙間や素材のすき間に水が自発的に上昇・浸透する現象です。スポンジが水を吸い上げるのと同じように、建材のわずかな隙間でも発生します。
住宅でよく起きる箇所は以下の通りです。
| 発生箇所 | 主な要因 |
| 外壁とサッシの接合部 | コーキング(防水材)の劣化や施工不良 |
| 屋根と外壁の取り合い | 雨水の溜まり・吸水による侵入 |
| 基礎と外壁の境目 | 施工後の収縮やひび割れ |
| タイルや外壁材の目地 | 吸水性のある素材や凍結融解の繰り返し |
表面は乾いて見えても、内部では少しずつ湿気が溜まり、結果的にカビ・腐食・臭気の原因になります。

「見えない湿気」が心に与えるストレス
心理学では、原因のわからない不快感は強いストレス要因とされています。
これは「不確実性ストレス」と呼ばれ、原因が見えない状態が続くと、人は余計に不安を感じやすい」という心理的反応です。
たとえば──
- 壁の一部が湿っているのに、原因がわからない
- 雨のたびにどこかが臭う
- カビを掃除してもすぐ戻ってくる
これらは、住む人に“安心して過ごせない空気”を作り出します。
つまり、毛細管現象は構造の問題であると同時に、心理的な安心感を奪う現象なのです。
長野住環境企画の対策と設計思想
長野住環境企画では、「水が入っても乾く」「水がとどまらない」構造を前提に、
毛細管現象による被害を防ぐ設計を行っています。
🔹 接合部の防水ディテール
外壁やサッシの接合部に「水返し」や「段差」を設け、吸水を防止。
🔹 通気層の確保
壁の裏に空気の通り道をつくり、侵入した水分を蒸発・排出。
🔹 凍結・融解対策
寒冷地特有の気温差に強い建材と施工精度を確保。
🔹 点検性・修繕性
壁を外さず内部を点検できる構造にし、メンテナンスを容易に。
こうした工夫で、「水の道」を設計の段階から断つことができます。
ご家庭でできるチェックポイント
専門家に相談する前に、次の点を確認してみましょう。
- 雨の後、壁紙やサッシまわりに湿りがないか
- 壁内からカビ臭や湿気を感じないか
- 外壁のコーキングにひび割れがないか
少しのサインを早期に見つけることで、大きな修繕を防ぐことができます。
佐久市で“心の健康を育む家づくり”を
快適な温度と湿度が保たれた家は、心まで落ち着きます。
見えない部分までしっかり守られた構造が、暮らしに“安心の根拠”を与えてくれます。長野住環境企画では、「構造 × 快適 × 安心」を大切にした家づくりを行っています。
湿気やカビの不安がない住まいづくりを、一緒に考えてみませんか?
👉相談会のお申し込みはこちら
👉施工事例を見る
👉お客様の声はこちら
👉各種お問い合わせ
参考文献
- Baumeister, R. F., Vohs, K. D., & Tice, D. M. (2007). The strength model of self-control. Current Directions in Psychological Science, 16(6), 351–355.
- Evans, G. W., & Wener, R. E. (2007). Crowding and personal space invasion on the train: Please don’t make me sit in the middle. Journal of Environmental Psychology, 27(1), 90–94.