佐久・小諸の冬、「暖房をつけているのに足元が寒い」「朝、窓がびっしょり」という声を毎年うかがいます。 その多くは、壁や天井ではなく「窓」から熱が逃げていることが原因だと言われています。窓の断熱は、工事の規模のわりに暮らしの変化が大きいリフォームです。そして今年は、窓の断熱に使える国の補助金が例年より手厚い年でもあります。この記事では、窓の断熱の3つの方法と、補助金を「ありき」にしない考え方を整理します。
この記事でわかること
- 冬の寒さと結露に、なぜ窓が大きく関わるのか
- 内窓・ガラス交換・サッシ交換、3つの方法の違いと向き不向き
- 2026年の窓の補助金の概要と、失敗しないための順番
家の熱の半分は「窓」から逃げている
冬に暖房で温めた空気は、どこから逃げていくのでしょうか。一般的な住宅では、逃げる熱のおよそ半分が窓などの開口部からだと言われています。壁には断熱材が入っていても、ガラス一枚の窓は、たとえるなら「厚手のコートを着ているのに、首元が開いている」ような状態です。
佐久・小諸のような寒冷地では、この差がとくにはっきり出ます。朝、窓ガラスの内側が結露でびっしょりになるのは、室内の暖かい空気が冷たいガラスに触れて水滴になるから。結露はカーテンや窓枠のカビの原因にもなり、放っておくと木部を傷めます。冬の結露の仕組みは冬場の結露、結露対策!結露に強い窓はどんな窓?でもご紹介しています。
窓の断熱を高めると、逃げる熱が減って暖房の効きがよくなるだけでなく、ガラスの表面温度が上がって結露が起きにくくなります。「暖かい」と「乾いている」の両方が手に入るのが、窓の断熱の特徴です。
窓の断熱、3つの方法

窓の断熱リフォームには、大きく3つの方法があります。それぞれに向き不向きがあり、「どれがいちばん良い」という正解はありません。
| 方法 | 内容 | 向いているケース | 気をつけたい点 |
|---|---|---|---|
| ① 内窓(二重窓)の追加 | 今の窓の内側に、もう一枚窓を付ける | 工事を短く済ませたい/寝室・リビングなど部屋を絞りたい | 窓が二重になるので開け閉めが2回になる。窓枠の奥行きが必要 |
| ② ガラス交換 | サッシはそのまま、ガラスだけ複層ガラスなどに替える | サッシの状態が良い/見た目を変えたくない | サッシ(枠)自体の断熱は変わらない。古いサッシには入らない場合も |
| ③ サッシごと交換 | 枠からすべて断熱性の高い窓に替える | サッシが古く傷んでいる/外壁の工事と一緒にやる | 工事が大きく費用も高め。外壁や内装に手が入ることがある |
寒冷地でよく選ばれるのは①の内窓です。工事は1窓あたり1時間ほどで、家全体ではなく「寝室と居間だけ」と絞ることもできます。一方、サッシが古くて隙間風が入るような場合は、内窓を付けても効果が限られるため、③を検討したほうが結果的に満足度が高いこともあります。
どの方法が合うかは、今の窓の状態を見てみないと判断できません。ガラス交換については窓のガラス交換の記事も参考になります。
2026年の窓の補助金──概要と「期限」
2026年は、窓の断熱に使える国の補助金がそろっている年です。代表的なものを、執筆時点(2026年9月上旬)の情報で整理します。
- 先進的窓リノベ2026事業:内窓の設置、ガラス交換、サッシ交換などが対象。窓の性能とサイズに応じて補助額が決まり、窓の補助金の中では最も手厚い制度と言われています。交付申請の予約は遅くとも2026年11月16日まで、交付申請は遅くとも2026年12月31日まで。ただし、予算の上限に達した時点で受付が終わります。
- みらいエコ住宅2026事業:窓以外の断熱改修や設備の交換なども対象になる制度で、窓リノベと組み合わせて使える場合があります。こちらも2026年12月31日までに工事を完了し、申請する必要があります。
- 給湯省エネ2026事業:高効率給湯器の交換が対象。窓とは別ですが、同じ時期に設備の更新を考えている方は知っておくと役立ちます。
窓リノベの予算消化率は、執筆時点では公式サイトで日々公表されており、まだ余裕がある状況です。とはいえ、秋から冬にかけては申請が増える傾向があります。工事は着工の前に事業者登録や手続きが必要で、内窓は受注から取り付けまで数週間かかることもあります。「寒くなってから考える」と、工事が真冬になったり、予算が終わっていたりすることがあるため、動くなら10月中に相談を始めるのが現実的です。
※ 制度の内容・期限・予算状況は変わることがあります。最新の情報は先進的窓リノベ2026事業の公式サイトでご確認ください。申請は登録事業者が行うため、私たちにご相談いただければ手続きを含めてご説明します。
補助金は「最後に」確認する

ここまで補助金の話をしてきましたが、私たちがいちばんお伝えしたいのは、補助金を理由にリフォームを決めないでください、ということです。
「今なら補助金で実質ほぼ無料です」「期限が迫っているので今すぐ」──こうした言葉で急がされて、必要のない窓まで替えてしまった、というお話を耳にすることがあります。補助金はあくまで、暮らしをよくするための「おまけ」です。
私たちがおすすめする順番は、次のとおりです。
- 困りごとを整理する:どの部屋が寒いのか、結露はどこがひどいのか、暖房費はどのくらいか
- 今の窓の状態を確認する:ガラスの種類、サッシの材質と傷み、窓枠の奥行き
- 本当に必要な工事を設計する:全部の窓ではなく、効果の大きい窓から。方法は①〜③のどれが合うか
- その結果、使える補助金があるかを確認する
この順番を守れば、補助金があってもなくても、「やってよかった」と思えるリフォームになります。逆に4から始めると、補助金の枠に工事を合わせることになり、暮らしに合わない結果になりがちです。
「寒い」は、家族の摩擦にもなる
もう一つ、窓の断熱の意外な効果をお伝えします。家の中に温度差があると、「暖房をつけたい人」と「電気代が気になる人」のあいだで、小さな言い合いが起きやすくなります。窓の断熱で家全体の温度差が減ると、この摩擦そのものが減る、というお話を実際にうかがうことがあります。
室温と心の関係、暖房をめぐる夫婦の違いについては、エアコンを消す夫、つけっぱなしの妻。心理と間取りで変わる暮らしの摩擦でも取り上げています。窓の断熱は、光熱費と結露の話であると同時に、家族の気持ちの話でもあるのです。
長野住環境企画の考え方
私たちは佐久市で、断熱リフォームから高気密・高断熱の新築まで手がけてきました。窓の相談で心がけているのは、まずお宅にうかがって、実際の窓と暮らし方を見せていただくことです。同じ「寒い」でも、原因が窓なのか、床下なのか、隙間風なのかで、答えは変わります。
必要のない工事はおすすめしませんし、「今の窓のままで、カーテンを替えるだけでも変わりますよ」とお伝えすることもあります。社内には建築の有資格者が在籍しています。補助金の手続きも含めて、遠慮なくご相談ください。家全体の断熱の考え方は高気密・高断熱の家とは?もあわせてどうぞ。
よくあるご質問
Q. 内窓を付けると、どのくらい暖かくなりますか?
A. 窓の断熱性能はおおよそ2倍程度になると言われており、窓際の冷え込みや結露が目に見えて減った、というお声をよくいただきます。ただし効果は家の状態によって変わるため、「何度上がる」とは断言できません。現地を見たうえでお伝えしています。
Q. 全部の窓を替えないと意味がありませんか?
A. いいえ。長い時間を過ごす居間と寝室、北側の冷える部屋など、効果の大きい窓から始める方が多いです。予算に合わせて段階的に進めることもできます。
Q. 補助金の申請は自分でやるのですか?
A. 先進的窓リノベ事業などは、登録された事業者が申請を行う仕組みです。お客様ご自身で手続きする必要はありません。必要な書類や条件は、ご相談の際にご説明します。
Q. 賃貸でも内窓は付けられますか?
A. 内窓は既存の窓枠に取り付けるため、賃貸では大家さんの許可が必要です。許可が得られれば工事は可能で、補助金の対象になる場合もあります。
ご相談のご案内
長野住環境企画では、窓・断熱のご相談を承っています。「うちの窓はどれが合うか」「補助金が使えるか」といった段階からで結構です。営業目的の訪問ではありませんので、安心してお声がけください。
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