耐震診断って何をみるの? 2022.01.29
すこーしずつ、陽が長くなってきましたね。
陽が長いと気分も上がる遠藤です。
今日は普段行っている耐震診断の際に、何を確認しているのかをお話ししたいと思います!
私達が調査を行う際には以下の点を見ています。
・天井裏・床下に潜って基礎や構造、腐朽の確認
・室内の間取りや柱・壁量を確認、仕様の確認をするために平面図を起こす
大まかに言うとこの二つです。
まず天井裏や床下では梁や基礎などに大きなひび割れが無いか、著しい劣化や白蟻・腐朽菌等の被害が無いかを確認します。合わせて、筋交いなどが施工されているかが分かれば確認を行います。
間取りや壁量の確認は、どの位置に柱と壁があるのかを確認したり、壁・床・天井に劣化は無いか、屋根なども合わせて確認していきます。
家はどうやって支えられているのか
一般的に、耐震性の低い間取りと言われているのが、建具で仕切られた続き間があったり、大きな窓が連続してある間取りです。
最近は和室が少ないのであまり見ない間取りですが、古い家にはよくある間取りです。何が危険かと言いますと、振動から家を支える柱や壁が非常に少ないからです。
通常、木造の家屋は柱と壁で揺れから耐えるのですが、壁が少ないと振動や衝撃に耐える力が足りず、柱が少ないと振動・衝撃を地面へ逃がすことが出来ません。また、基礎と土台がしっかり連結されていないと、躯体は振動・衝撃に耐えたとしても基礎から建物がずり落ちてしまう可能性もあります。
では、もう一つ、倒壊の危険性がある古い家屋の特徴を上げますね。
二階に、一階よりも細かい仕切りのあるおうちです。
キーワードになるのは「養蚕」です。
以前では一般家庭でも、住宅の二階を養蚕小屋として活用されていたご家庭が多くあります。
そう言ったおうちは、養蚕業を終えた後に二階を「居室」として使うことが多いです。
そうすると元々、最小限の仕切しかなかった2階を細かく仕切って部屋にするので、当然2階の重さが増えます。
しかし1階の柱や壁の量は変わらないので重くなった頭を振られて揺れが大きくなります。お蚕さんを飼っていた頃の家と言うのは上記で上げた続き間の和室に大きな窓を備えていることが多いので、1階の柱や壁量も少ないです。
結果、振動や衝撃に耐えられずに一階の柱が折れたり、ほぞ(木材と木材の接合部の突起の事です!)が抜けて一階が潰れて二階が落ちてくる、あるいは一階の壁が少ない方(主に大きな窓がある南側)に倒壊するという現象が起きるのです。
そう言った家を補強する際には、壁を増やしたり、壁や梁を補強したりします。
耐震に不安を覚える方も多くいらっしゃると思いますので、当てはまるなぁ、ちょっと心配だなぁと思ったら、お気軽にご相談くださいね。
市町村によっては無料の耐震調査も実施しておりますので、市役所などに問い合わせてみてください。
倒壊以外の危険と言えば火の回りや家具の落下ですね
ガスコンロは、マイコンメーターが設置されていれば、震度5相当以上の地震があると自動でガスの供給がストップされます。(都市ガス・LPG共通)
それでも、火の回りはなるべく物が落ちないようにしておくのが大切ですね。
わが家はちょうどコンロの前が出窓になっているので、調味料やらなにやらがたくさんあります。。。落下防止措置を考えないといけませんね!
さらに、大地震の際には物が飛んでくるとのことです。以前お話を伺った、阪神大震災を経験された方は家にあったブラウン管のテレビが飛んできたと仰っていました。
いつ来るのかわからない地震、改めて身の回りの対策を考え直さないといけないと思う今日この頃です。
これから極寒の二月が控えていますが、気は早くも春が待ち遠しくなっています。
節分が来たら次は桃の節句です。楽しく今年の厳しい冬を乗り越えたいと思います!
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