秋から冬へ──火災が増える季節
気温が下がるこの季節、暖房や電気機器の使用が増え、住宅火災の発生件数も上昇します。
総務省消防庁の統計によると、住宅火災は11月から2月にかけて多発しており、特に「電気火災」が近年増加傾向にあります。
多くの人が「火災=ストーブやタバコ」と考えがちですが、実際には見えない部分──配線・コンセント・凍結防止帯が原因になるケースが少なくありません。
今回は、佐久エリアの冬にも関係が深い「凍結防止帯」と「電源設計」をテーマに、安全で心が落ち着く住まいづくりについて解説します。
冬に増える「凍結防止帯」の火災
寒冷地では、水道管が凍結すると破裂や断水を招くため、多くの住宅で「凍結防止帯」と呼ばれるヒーターが使用されています。
しかし、全国的にこの凍結防止帯が原因とみられる火災が毎年報告されています。
主な原因は:
- 経年劣化によるショート・発熱
- 延長コードによる過負荷(タコ足配線)
- ホコリや湿気によるプラグ部分の発火
一見すると便利な設備ですが、設計段階での配線・電源計画が不十分な住宅ほどリスクが高い傾向があります。
凍結防止帯とは?
凍結防止帯とは、水道管に巻きつけて通電し、一定の温度を保つことで凍結を防ぐヒーターケーブルです。
冬の生活には欠かせませんが、構造上、長時間の通電と屋外環境への露出が多く、劣化・過熱・誤設置による火災リスクが潜んでいます。
電源が少ない家ほどリスクが高い
寒冷地の古い住宅では、建築当時に想定されていない電化製品の増加により、電源不足が起きやすくなっています。特に古い住宅やリフォーム済みの家では、コンセントが不足しがちで、結果的に延長コードやタコ足配線で無理に電力を補うケースが多く見られます。
しかしこれが、
- 発熱
- 接触不良
- 熱のこもり
といった隠れた火災要因になるのです。
特に冬は、暖房・加湿・凍結防止帯などの使用が重なり、ブレーカー容量や配線負荷が限界に達しやすくなります。
タコ足配線の注意点
安全に暮らすために、次のポイントを押さえておきましょう。
【やってはいけない例】
- 延長コードをさらに別の延長コードにつなぐ(二重配線)
- コンセントタップに暖房器具やドライヤーなど高出力機器を同時接続
- コードを束ねたり家具の下に通す(熱がこもり発火リスク)
- 古いコードを使い続ける(被膜劣化でショート)
【安心のためのワンポイント】
- 消費電力の合計は1500W以下を目安に
- 使わないタップはスイッチ付きやブレーカー付き製品を活用
- 使用中のコンセントやコードが「熱い」と感じたら即点検
- 配線周りを定期的に“見える化”して確認(ホコリ・結露・押し潰れ)
これらを実践するだけで、家庭内の火災リスクは大幅に減少します。
心理学の視点で見る「安心できる家」
心理学では、物理的な安全だけでなく“安心して過ごせる心理的安全”が生活の質を左右すると言われています。
- 環境ストレス理論(Evans, 2006)
配線や視界の乱れが集中力や快適性を低下させ、無意識の不安を生む。 - パーソナルコントロール理論
自分でコントロールできない環境下では、安心感が損なわれる。
つまり、配線や電源が整理され、設計段階から「安全」が見える形になっている住まいは、心の安定を支える空間でもあるのです。
長野住環境企画が提案する“安全で心が整う家づくり”
長野住環境企画では、間取り設計と同時に電源計画と安全設計を行い、冬の火災リスクを未然に防ぐ住まいづくりを行っています。
🔹 凍結防止帯の専用電源設計
- 凍結防止帯専用の独立回路を設計し、過負荷を防止
- 点検・メンテナンスしやすい位置に配置
- 使用しない季節はスイッチで通電カット
🔹 タコ足配線を生まない動線設計
- 家電・暖房・在宅ワークなどの使用ポイントごとにコンセントを配置
- 季節の変化や生活動線に応じて電源をゾーニング
- “延長コードのいらない暮らし”で安心と心のゆとりを実現
安心は設計から始まる
- 秋から冬は火災が増える季節
- 凍結防止帯の劣化やタコ足配線は火災の原因に
- 心理学的にも「整理された環境」は安心と集中をもたらす
- 長野住環境企画は「安全 × 性能 × 心の健康」を両立する家づくりを提案
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長野住環境企画では、心理と間取りをテーマにした「心の健康を育む家づくり個別相談会」を開催しています。完全予約制(無料)ですので「どんな住まいが家族にとって理想か?」じっくり一緒に考えてみませんか?
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参考文献
- Evans, G. W., & Wener, R. E. (2007). Crowding and personal space invasion on the train: Please don’t make me sit in the middle. Journal of Environmental Psychology, 27(1), 90–94.
- Hall, E. T. (1966). The Hidden Dimension.
- Sommer, R. (1969). Personal Space: The Behavioral Basis of Design.